羽ばたく天使に幸あれ
天音かなたさんの1ファン、一人の「へい民」として、卒業を見届けるまでの気持ちをここに書き残しておくことにした。 結果的にとてもとりとめもない文章になってしまって、こんなものを出していいのかと迷っている。が、「やらなくて後悔するよりは、やって後悔するほうがいい」の精神で、思い切って公開することにした。
前提として、この記事は一人のファンの心情を書き記しておくもので、卒業発表の内容やその背景に深入りすることはしないでおこうと思う。 さまざまな事情や背景について、気になった方は自分で調べてみていただければ幸いだ。
さいしょに卒業発表を知ったのは今でも忘れられない、2025年12月2日(火) の夕方17時頃だった。 ちょうど私はそのとき会議中だったのだが、通知がちらっと目に入った瞬間、ほんとうに頭が真っ白になり、何も考えられなくなった。 さすがに仕事ができるメンタルではなく、なんとかやることを終わらせたあと、放心状態で早退したことを覚えている。
かなたさんはホロライブで初めて私の「推し」だと思った人だ。 振り返ると、最初のきっかけはふと聞いた謳ってみた動画で、歌声に魅入られたこと。同時に銀髪が似合うキュートなキャラデザインにも、すっかり心を掴まれてしまった。 ありふれたきっかけだったが、少しずつかなたさんのことを深堀りしていくについれて、ハンディを抱えながらも、実現したい夢に向かってひたむきに努力する姿を見、尊敬するようになっていった。
正直にいえば、私はあまり真面目な 「へい民」 ではなかったかもしれない。 だが、ずっと心の中の支えとして、自分が大変なとき、“かなたそも頑張っているから頑張ろう“と思わせてくれるような、そんな大事な存在として天使がいた。 今回のような「卒業」は私にとって初めての経験だったし、今まで当たり前の存在だった推しが突然去る辛さを痛感することになった。
卒業までのカウントダウンが始まってから、これまであまり表立った応援ができていなかったことが心残りになるのではと思った。 誤解のないよう付け加えておくと、陰ながらの応援を否定するものではまったくない。 ただ私がある意味自己満足のために、応援の記録を何らかの形で残しておきたいと思っただけだ。
応援用の Twitter アカウントを作った。 既存のアカウントでもぽろぽろと RT したりリンクをシェアしたりといったことはしていたのだが、まっさらなアカウントのほうが余計なことを気にせず書けると思った。
できるだけ配信は見るようにした。かなるーなの最終回では本当に号泣したし、ゴリレバの最終回でも情緒がぐしゃぐしゃになったことを覚えている。 お恥ずかしい話だが、こんなに泣いたのは祖父が亡くなったとき以来、かもしれない。
生まれて初めて買う卒業グッズは絶対に欲しくて、もう自分史上最高に緊張しながら待機した。激戦?をくぐり抜けて注文できた時は、思わずガッツポーズしてしまった。
そんな20日はあっというまにすぎるもので、気づけば卒業が目前に迫るようになった。 正直に言って、精神的に苦しく感じるときもあった。 とくに前半はまったく心の整理がついていなくて、食欲は落ちるし、ふと思い出しては鬱々とするし、眠れないし、苦しい日々だった。
当然といえば当然だが、どんなに楽しい企画やコラボを観ていても、これが最後か……と自覚するたびにしんどくなるのである。 そんななかで個人的に救いになったのは、仕事に熱中していると余計なことを考えずにすむということ。 日中は心を無にして仕事を進めるようになった。結果、なんとも皮肉な話だが、12月の進捗は過去最高レベルになった。
加えて気持ちを文章に書いて整理をしたり、信頼できる人に吐き出したりといった伝統的な対処法も私を助けてくれた。 もし、私のとりとめのない愚痴を聞いてくれたリアルの知り合いがこの記事を読んでくださっていたら、この場を借りて感謝したい。
だが、さすがに卒業数日前になると、だんだん心の整理がついてきた。 これは、かなたさんが最後まで前向きに頑張ろうとしていることに気づいたから、というのもある。
当然、卒業はファンだけでなく本人にも辛い決断だったはずで、配信の中でかなたさんも度々心残りなことを語っていた。 しかし様々な背景を聞くにつれて、何年も悩んで、なんとかならないか奮闘して、ずっと努力し続けて、それでもなお卒業を選択したんだ、そういう重さのある決断なんだと気づいた。
私自身、企業勤めの身、きっとどんな会社にも、そう簡単に直せない組織的な欠陥はあるのだろうと想像する。 その欠陥をなんとかしようと立ち向かうことは立派だけど、すぐにどうにもならないことなら、自分の身をまもるため、そこを離れるという選択もひとつの決断だろう。
ただのサラリーマンにとっても「退職」は重たい決断だ。ましてやアイドルとして注目を集める身で卒業を選ぶのは、並大抵の決意ではできないはず。 ファンとして率直にわがままを言わせてもらえれば、もちろんまたどこかで会いたいという気持ちは常にある。 でも、推しが悩み抜いて出した結論なら、最後まで応援して、いま温かく送り出してあげたい、新しい道を進む姿を応援したいと思うようになった。
そして、12月27日、卒業ライブを見届けた。 ここまで色々書いてきたけど、やっぱり苦しかった。それはそう。 でも、ただただ寂寥感に襲われるだけでなく、最後に推しを応援する気持ちで送り出せたのはほんとうによかったと思う。
新しい空に羽ばたく天使へ
改めて、貴方はたくましい人だと思いました。6年間、未整備だったであろう道を一人で歩き抜いてきたんですね。 そんな貴方なら、今後どんなことがあっても、きっと前を向いて生きて、いい人生を駆け抜けてくれると信じています。
卒業ライブを観ました。貴方のプロとしての気概、最後まで理想のアイドルであろうとする心意気をしっかり感じ取りました。 おこがましいかもしれませんが、私もそんな貴方の姿を見て、いつでも胸を張って誇れるような仕事をしたいと思うことができました。 貴方のくれた勇気、めげない強さ、ひたむきな努力の姿勢、数え切れないほどの愛は忘れません。
最後の最後まで、最高のアイドルでいてくれてありがとう。
最後の最後まで、私達に勇気と励ましをくれてありがとう。
最後の最後まで、夢を見させてくれてありがとう。
新しい道への第一歩を踏み出そうとする天使に、大きな幸があらんことを願っています。